2015年3月23日月曜日

発声法について

私は今でも多少声楽を教えている。
気をつけていることは「こうでないといけない」と言わないこと。
まあ、いろんな方法があるのだ。

ちょっと古めの声楽教師がよく言うのは「息は鼻から吸え」である。
私は歌う口でそのまま吸えと言っている。これは世界の常識だが、
あまりに鼻から吸う人が多いので、それでも良いと言っている。
まあ声楽ってのはどっちでも良いことがたくさんあるが、
ダメな教師は自分が教わった方法以外をダメだと言う。

私は「どちらでも良いよ マリア・カラスも鼻から吸うから・・・」
とよく言っていたが、気になってよくよく見たらカラスは口から吸っていた。
鼻が異常に大きい人だからどうもそういうイメージがあったが
実は違った。カラスさん、ごめんなさい!

今はDVDもYOUTUBEもあるので、歌を教える人はよく見てみることだ。
よくよく調べると鼻から息を吸う人はいない。
Franco Corelli がたまに鼻から吸うことがあるくらいだ。
デルモナコ、ステファーノ、ドミンゴ、カレラス、バスティアニー二、フレー二、
カプッチルリ、テバルディ、素人さんには分かりにくいかも知れないが
みんな口から吸う、というか、みんな自然に分からないように吸う。
関西によくいる「口を閉じて音を立てて鼻から息を吸う」ような歌手はいない。
だれか鼻から息を吸う世界的な歌手がいたら教えてください。
まあ喉を開いて、お腹から声が出るのならどっちでも良いと思うが・・・。

声を出すときは「腹をひっこめろ」と言う人と「腹を出せ」という人がいる。
厳密には「下腹を引っ込めてみぞおちあたりは突き出す」というのが
1960年フースラーの研究以来の世界の常識だ。それも単純ではない。
1回4万5千円もレッスン料を取る人が「鼻から吸って、腹は出せ」と言うらしい。
その犯罪的な声楽教師にはあきれるが、
生徒の方も少しは考えて、そんな先生とは絶縁しなさいといいたい。
そんな古手の人がまだまだ関西にはびこっている。
関西に歌える人が極端に少ないのは当然である。


0 件のコメント:

コメントを投稿