2016年1月26日火曜日

オペラ「白い雲のかなたに」公演迫る。

今週の日曜日(1月31日)2時から東灘うはらホールで
オペラ「白い雲のかなたに」の公演があります。
ご来場いただけるとありがたいです。



このオペラを作るにあたって気をつけたことは、決して悲惨なことがらを思い出させるのではなく、
生きる勇気を与えられるような作品に・・・ということだった。

世の中には語り部という人たちがいて、「私たちの苦悩を忘れないでくれ」と訴える。
大震災の語りべ、広島の語りべ等がいるが、私はああいうのをあまり気持ちよく聞いたことがない。原爆の語りべたちは「だから戦争はいけない」と結論づける。そういう意味では意義もあるのだう。まったくもってごもっともであるが、国際秩序、ルール、人権意識、そんなものが通じない国々が日本の周りに集中しているのだ。「だから戦争はいけない」というのもわかるが、戦争はしかけられる可能性の方が多いのだ。
歴史をねつ造までして日本を責め立て、あちこちに告げ口して回る国々があるときに、長年の平和ぼけで話せばわかると思いこんでいる人たちが案外多い。備えをすれば「戦争法案」と叫び、ラップでパフォーマンスする高校生達が出現したりする。

一方、震災の語りべ達は「だから震災はいけない」ともいえないので、「だから備えをするべし」という感じの、迫力のないむにゃむにゃとしたところへ持って行く。

私は、悲惨な出来事なんか忘れてしまえばよいと思っている。ただ、あのときはみんなが優しい気持ちになれた。私の家は一部損壊と認定されて大変だったが、震災の中心部の人たちに比べたらなんて事はないと思っていた。人生ではじめてボランティアらしきことをした。人生ではじめて自分の事より他人のことを優先させた。

私がこのオペラを作るにあたって第1に考えたのは、あの時みんなが人のことを思いやった気持ちを大事にしたいと言うことだった。私はあの時多くの尊敬すべき人たちに出会った。人の真心にも触れた。あの時から涙もろくなった。